農業の畜産を語る8代目農家 トヨタファーム鋤柄の『食と命』

農業の畜産を語る8代目農家 トヨタファーム鋤柄の『食と命』

2020年05月05日 12:15

ミャンマーからの研修生は英雄となって帰国していく

トヨタファームはミャンマーから研修生を受け入れています

彼らの研修期間は3年
養豚のノウハウを学び、知識を身につけます

その間得た給料を祖国の家族に仕送りします
するとわずか2年送金したお金で家が建つのです

例えばこのような雨風すらまともに凌ぎきれない家が2年の仕送りで





2階建のコンクリートの家に建てかえることができます



ちなみにこの地域で200軒あるという家屋はすべて平屋建
雨季には水で1階が浸かります。

2階建の家がどれほど貴重なものか容易に想像できます

母国の畜産をより良いものにしようと学んで帰国した彼らは実業家となり
養豚の技術が伝承され、雇用が生まれ、結果、食生活も豊かになり…と
まさに英雄となって凱旋帰国するわけです

彼らの活躍や彼らの暮らしが豊かになることはとても嬉しく、
また、その一助を担えることを誇らしく思います


  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:取り組み

2020年04月28日 16:28

再建の決意

トヨタファームの鋤柄です。
再び、ブログにて発信をしようと思い立ちました。



皆さんもご存知の通り、平成31年2月6日に
愛知県初の豚熱(豚コレラ)が当農場で発生しました。

想像を絶する殺処分の現場を経験し、
どうするべきか自問自答を繰り返し、
発生農場として初めて事業再開する決断をしました。

起きてしまったことを決して忘れず、
決して繰り返さず、もう一度皆様の食卓へ

“安心・安全な三州豚”

をお届けする決意で現在取り組んでいます。


簡単に再建と言っても
豚1頭からのスタートなので、
元に戻るには何年掛かるか分かりません。

が、家族・従業員一同
再び頑張ってまいります。




今回の豚熱(豚コレラ)感染を
豊田市立高岡中学校全校生徒が道徳授業のテーマで取り上げて頂きました。

→新聞にも取り上げていただきました。

生徒からのたくさんの応援メッセージを頂き、
生産農家の辛い思いというものが彼らに深く伝わったことが実感でき、
読みながら涙が止まりませんでした。

決してメディアが報道しない
実際に現場で何が起きていて、どんなことが行われたのかを
少しでも伝えられて嬉しかったです。


トヨタファームでは、
世界各国から技能実習生を毎年受け入れています。



過去40年間で
累計100名以上の研修生に養豚技術を学ばせ送り出しています。

公益財団法人オイスカと協働し、
現地の研修センターで一定期間研修後、
その中から優秀な人材のみを来日させ、
日本式養豚技術をしっかり学んだうえで、
帰国しそれぞれの村でリーダーになり、
村の発展に貢献できる人材に育てています。


現在は養豚ニーズの高いミャンマーに限定して、
研修生を受け入れ、私自身も何度も現地に赴き農村で養豚指導なども行ってきました。

本当に貧しいミャンマーの農村が養豚をきっかけに豊かになれば、
こんなやりがいがあり素晴らしいことは他にありません。

日本では迷惑産業である養豚がミャンマーでは農村発展に寄与できる。

こうした事実も今後、
このブログを通じて発信していきたいと思います。

宜しくお願いします。  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:取り組み

2018年12月05日 11:59

農水省の地産地消優良活動表彰



1ヶ月ほど前、
地産地消等推進全国フォーラムに出席しました



農水省の地産地消優良活動表彰で
食料産業局長賞を受賞したからです


立派なパネルまで作っていただきました




今までの私の活動が国に評価されたことで、
非常に嬉しいです



皆様のご支援に感謝致します

  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一

2018年08月21日 09:02

ミャンマーへの養豚指導



7/16~22まで、
農村の改善プログラムの一環で
養豚指導者としてミャンマーに行ってきました。



ミャンマーはインドと同じく格差が激しい国です。

私が赴いた場所も、都市部とは違い、
貧困なエリアで、川が氾濫すればすぐに水に浸かり、
家も雨風すら凌ぎきれないようなもの。



話を聞くと、家の中は家族が多くて横になることができないので、
男性陣は屋外で寝ているとも言っていました。

そんなミャンマーの農村地域で、
養豚セミナーもさせていただきました。



皆さん非常に熱心で、そして暖かく出迎えてくれました。

ミャンマーは日本とは違って、
本当にゆったりとした時間が流れており、
子どもたちも目がキラキラしているのが印象的でした。



貧乏で学校に行けない子どもはいるそうですが、
学校に通える子どもたちで不登校の子は一人たりともいないそうです。

ミャンマーにはトヨタファームで研修した
若い子たちもおり、日本で稼いだお金と、培った技術を持ち帰り、
母国で養豚を頑張ってくれています。



これからも微力ながら、
貢献していきたいと思います。
  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一

2018年07月17日 15:01

おかしん農業経営研究会 2018年3月

もうかなり前になりますが、
3月23日(金)に岡崎信用金庫さん主催の
おかしん農業経営研究会に講師として話してきました



「安全、安心を食卓に届ける」~仲間と取り組んだ地域の輪~として、
私が実践してきたエコフィードや、ブランド化、
夢農人とよたの立ち上げや、地産地食の推進などを、
簡単に述べさせていただきました

こんな内容を話しました
・地域から疎まれてしまう
・自分だけでPRしても限界がある
・仲間とともに農業復興→蔵カフェ
・廃業した牛舎を利用して牛も始めた
・自分だけ儲かってても難しい
・地域の協力をいかに得るか

今回、岡崎信用金庫さんの許可を得て、
その時の様子の動画をアップします

ノーカットで1時間超えになりますが、
興味のある方は御覧ください

https://www.youtube.com/watch?v=B_zKs_9GZf4
  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:講演レポート

2018年05月22日 08:43

【動画】所得を上げるために、豚農家がしなければいけないこと



今回は畜産業界で盤石な経営のために、
豚農家がするべきことを6分程度の動画にしています

端的に言えば、自分で売る、
つまりは流通の部分に自ら入っていくことが
必要不可欠です

現在、豚農家をされていて、
今よりも収入を上げたい方は是非ご覧ください

ブランド化をすればいいだけではなく、
流通についても考えていきましょう


https://youtu.be/P1oAJUVaRQo

誇りある農業を持続可能で、
儲かる職業に、私たちの世代でしていきましょう  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:農家のつぶやきチャンネル

2018年04月13日 17:27

【動画】逆算で農産物を作り、高く売る



簡単なことです
農業で儲かりたいなら、高く売ればいいだけです

しかしそれにはいくつか方法があります
その方法を知らないと、高いだけで売れない農家になり、
廃業する他なくなってしまいます

当然、売り値を高くせず、
相場の変動に任せた農業経営をあなたがしているなら、
もっと早く力尽きてしまうかもしれません


少なくとも、苦しい経営状況を打破するには変化が必要です
その手っ取り早い部分が高く売る、ということです


今回の動画は、高く売るというとき、抑えておくべき視点を動画にしています
ただ単純に値上げをするのでは失敗します


https://youtu.be/ZtxiKHwiJt4


儲かる農家の視点は消費者まで見ています
つまりマーケットまで視野を広げています

あなたもせっかく作った農産物なのですから、
ぜひ、価値に対して正しい値付けをできるように
「逆算」で作付けをしてみてください
収益も伸びてくると思います  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:農家のつぶやきチャンネル

2018年04月11日 11:13

第77回中日農業賞 特別賞



先月のことになりますが、
第77回中日農業賞 特別賞をいただくことができました。



これは従業員、家族をはじめ、
関わってくださる取引先の皆様、そして何より
近隣の地域の皆様のご理解・ご協力があっての受賞だと思っています。

ありがとうございます。



これからも「誇り高き農業」の実践と、
今回の賞に恥じない農業経営、そして農業人口の向上、
日本の農業の素晴らしさを発信してきたいと思います。


  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:農産物ブランディングの道

2018年03月20日 15:22

【動画】農家が儲かるために知っておくべき「売り方・見せ方」



前回の動画に引き続き
今回も農業経営について語らせていただきました。

農業は本当に儲からないのでしょうか?

この新しい動画シリーズは、
代々農家で、収入が上がらず生活するのがやっと、という方向けのシリーズです。

私自身が家業の養豚業を継いできた中で実際に経験したこと、
そして全国・世界を見て、聞いてきた、儲かっている農家の「儲かっている本当の理由」、
さらには異業種交流団体の中で見てきた「儲かっている経営者」の話を、
農家の皆さんにわかりやすく説明していきます。


今回の動画は、
農家が儲かるために知っておくべき「売り方・見せ方」です。

7分程度ですので、農作業の休憩中にご覧ください。
不慣れですがホワイトボードを使って説明しています。

私の実体験も交えてますので、
特に畜産業界の方は分かっていただける部分も多いのではないでしょうか?


https://youtu.be/dEKDercIvdc

続きをお楽しみに・・・  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:農家のつぶやきチャンネル

2018年02月21日 08:56

【動画】代々農家だけど儲からなくて困っている方へ



こんにちは、8代目農家 トヨタファームの鋤柄です
新しい動画シリーズをはじめました

私と同じような代々農家の方々向けのシリーズになります

私のこれまでの経験や、周囲の儲かっている経営者と交流して知った
「代々農家ほど知らない"経営"」の部分を、
できるかぎりわかりやすく説明したいと思います


まずは最初なので、自己紹介動画をアップしました


https://youtu.be/mfyx-SodzGo


つづきの動画もお楽しみに  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:農家のつぶやきチャンネル

2017年07月10日 12:00

【動画】農家が語る「農業女子が増えてきた?」



撮影してから時間が経ってしまいましたが、
今回のテーマは「農業女子が増えてきた?」です

動画は最後に掲載します

かねてより、農業、中でも畜産の仕事は
生き物を扱う以上、世話には休みがなく、
糞尿の処理や出産、病死時の対応などで、
「きつい」「汚い」ものと私は話しています

先日アップした動画にも
千葉の養豚家の卵との対談で話した「農家あるある」として、
ニオイが身体に染み付いてしまう、という話をしました

→前回の動画の記事はこちら




そういうわけで、若い人材の参入が少なく、
結婚できないなどの問題は過疎地で畜産を営む家庭では多くありました

しかし、ここ最近、以前と比べて
農業女子が増えてきているように感じます



今年も農林高校の女生徒がトヨタファームに
研修に来てくれましたが、生き物に関わる仕事に就きたい、
という子供たちが増えてきたように思います


私が思うに、銀の匙などの、畜産、農業をテーマにした作品が
若い子たちを中心に見られているからだと思います

そんな私はまだ未見ですが…



職業として農業、特に畜産を希望してくれる子が増えれば、
きっと日本の畜産業界も盛り上がると思いますし、私たち先輩農家も歓迎します


そして先日ブログでも紹介しましたが、
私は高校時代の同級生らと共に「牛」もはじめました


農業に興味を持ってくれる若い男女の皆さんのためにも、
雇用の創出にもつなげていきたいと思っています

では、動画をご覧ください

https://youtu.be/kkM_J9YaI7A
  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:農家のつぶやきチャンネル

2017年07月04日 10:25

地元中学生と日本政策金融公庫の社員さんの研修受け入れ

先月、私の出身校でもある
地元中学二年生の女の子二人と
日本政策金融公庫の新入社員さんが、
トヨタファームに1週間ほど、農業研修に来てくれました

元々、中学校の研修受け入れは毎年6月に行っているので
たまたま同じタイミングでの研修となりました



日本政策金融公庫の社員さんには現場研修を通して、
農業現場における「カネ」のこと、そして農家の思いを伝えました

女子中学生2人には、
豚肉になるまでにはいろんな作業があることを知ってもらいました



ちなみに3人共、豚の去勢には衝撃を受けていたようです(笑)
トヨタファームでの研修の恒例行事ですね

次回のブログは、動画をアップしようと思います
今回の中学生もそうですが、最近、農業女子が増えています

そんな農業女子をテーマに語ってみようと思います

  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一

2017年06月21日 08:00

今年に入ってから「牛」をはじめました

今年に入ってから「牛」をはじめました
このプロジェクトは私の出身校である刈谷高校時代の同級生らと3人で共に立ち上げました



3人それぞれが畜産に関わる仕事をしており、
疲弊していく農業を見過ごすことが出来ない、と意見が合い、
ここ愛知県で新規でブランド牛をやっていこう!となりました

現在は愛知県にある田原第一農場で牛を育てています



2年後には、ここで育った牛肉が市場に出て行く予定です
三河を中心に、牛で地産地消を目指して行きたいと思っています
ブランド名も現在、選定中です



まだ始めたばかりですが、少しずつ農場も増やし、
雇用の創出にもつなげていきたいと思っていますし、
既存の畜産農家の廃業も食い止めることができれば、と思っています

  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:農産物ブランディングの道

2017年06月12日 10:32

【動画】養豚家の卵と対談しました



この春からトヨタファームに研修に来ている
養豚家の卵と対談した様子を動画にしました


千葉県の横芝光町からはるばる来た海保くんです
ご実家も養豚業を営んでおり、うちでの研修後、
実家に戻って家業に専念していくそうです



トヨタファームでは飼育、販売方法を学んでもらい、
さらには農家のブランディングについても、伝えられることは
伝えていけたらと思っています

海保くんの地元は東京の市場にも近いので、
競合は多いですが、チャンスはあると思います



まずは情報発信をして「知ってもらう」活動をしていってほしいと思います

また動画内では畜産農家あるある話として、
周囲からの「においの指摘」についても話しています



私自身も子どもの頃に経験していますし、
私の息子、娘たちも経験している「あるある話」ですね

ぜひ、動画をご覧ください
https://youtu.be/1xpZq30T6-o
  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:農家のつぶやきチャンネル

2017年03月31日 09:31

【動画】ミャンマーへの養豚指導



昨年、ミャンマーという国に初めて行ってきました
旅行ではなく、農業指導としての渡航です

その時の様子を動画で語っています
ご覧ください
https://youtu.be/q2MsUhvT0-I


動画内でも語っていますが、
ミャンマーという国は都市部と農村部で所得の差が激しく、
インフラについてもまだまだ未整備のところが多く、都市部でも停電がしょっちゅうでした





しかしミャンマーという国は世界中から注目されている国で、
ラストフロンティア(最後の市場)とも呼ばれています
向こうの不動産に投資をする人も日本にはいると聞いたこともあります



都市部には日本の高級車が結構走っていました
ちょっとうれしくなりますね



ミャンマーという国は日本のおよそ1.8倍の国土を持つ農業大国でもありますが、
水不足、道路の未整備、電気の未整備等、色々問題も抱えています



さらに所得も低いので、農村部に住んでいる方々の住まいも
いわゆるあばら家のような家もありました



そんな貧しい農村部ですが、
養豚事業に関しては可能性があると思います

豚の出荷額は日本とそんなに変わらないので、
低所得である農村部において、成功すれば大きいのです



しかし、そんな養豚もインフラの整備がまだ出来ていない、
さらに水不足ということもあり、豚が健康に育つ環境も少ないので
なかなか難しいところ、というのが現状です

数ヶ月、現地で指導する時間があり、
投資する資金もあれば私がやりたいくらいですが・・・



以前、私の農場で働いていた当時の研修生とも久しぶりに会いました
彼は今、自国で養豚を指導する立場として頑張っています

日本で知識を学び、資金を稼ぎ、自国に戻れば指導者です
とてもうれしく思いました



今も私の農場にはミャンマーからの研修生がいます
彼らに日本の養豚を学んでもらい、自国に戻って
ぜひ成功を収めてほしいと思っています



これからもこうした農業支援は
国内外問わず行なっていきたいと思います



そしてミャンマーは人柄も、文化も食事も日本人に合う国です
機会があればまた行きたいと思います



みなさんもぜひ、これからのミャンマーの発展に注目してください  


Posted by トヨタファーム 鋤柄雄一 │カテゴリ:農家のつぶやきチャンネル